これは多くの海外赴任家族や、子どもの国際教育に関心のある保護者が持つ重要な疑問です。
結論から言うと日本の公立小中学校に籍を置いたまま、マレーシアのインターナショナルスクールに通うことは可能ですが、いくつかの条件や手続きが必要です。
目次
- 日本の学校籍を維持する方法
- 1.海外在留届と在籍校への届け出
- 2. 学校と相談する重要性
- マレーシアのインターナショナルスクールへの入学
- 1.入学条件と手続き
- 2.主なインターナショナルスクールとカリキュラム
- 3.費用の目安
- 両方の学校に通う際の注意点
- 1.日本の教育課程との差異
- 2.帰国後の対応策
- 3.現地の日本人補習校の活用
- 実際の体験談
- まとめ
日本の学校籍を維持する方法
1.海外在留届と在籍校への届け出
日本の公立学校に籍を残す最も一般的な方法は「海外在留者の就学」という制度を利用することです。この場合、次のステップが必要になります
①市区町村の教育委員会に「海外在留届」を提出
②在籍校に「海外転出届」または「出国届」を提出
③学校によっては「出席停止願」の提出が必要な場合もあります
この手続きにより、日本の学校は子どもを「海外在留者」として扱い、籍を維持したまま出席を免除します。
多くの学校ではこの状態を「休学」ではなく特別な出席扱いとしています。
2. 学校と相談する重要性
この手続きは各自治体や学校によって対応が異なるため、事前に以下の点を確認しておくことが重要です
海外滞在予定期間
帰国時期の見込み
海外での就学状況の報告方法
帰国後の編入学手続き
多くの場合、担任教師や学校長との個別相談が必要になります。
特に公立学校では、前例のないケースだと対応に時間がかかることもあります。
マレーシアのインターナショナルスクールへの入学
1.入学条件と手続き
マレーシアのインターナショナルスクールは基本的に外国人や永住権保持者を対象としていますが、学校によって入学条件が異なります
パスポートとビザの提示(学生ビザまたは扶養家族ビザ)
入学試験や面接(英語力や学力の確認)
前学校の成績証明書や推薦状
健康診断書
2.主なインターナショナルスクールとカリキュラム
マレーシアには様々なカリキュラムを提供するインターナショナルスクールがあります:
イギリス系: British International School、Garden International School、Alice Smith School
アメリカ系: International School of Kuala Lumpur、Mont’Kiara International School
オーストラリア系: Australian International School
国際バカロレア(IB): IGB International School、Fairview International School
日本人向け: 日本人学校(補習校ではなく全日制)もありますが、こちらは日本の学校と同等のカリキュラムで学べます
3.費用の目安
インターナショナルスクールの費用は一般的に高額です:
入学金:10,000〜30,000リンギット(約30万〜90万円)
年間授業料:40,000〜100,000リンギット(約120万〜300万円)
その他:制服、教材費、遠足費、ランチ代、スクールバス代など
両方の学校に通う際の注意点
1.日本の教育課程との差異
インターナショナルスクールと日本の学校では学習内容や進度が大きく異なります:
教科書や学習範囲の違い
特に算数・数学や国語(日本語)の学習格差
文化や行事、学校生活の違い
2.帰国後の対応策
帰国後にスムーズに日本の学校生活に戻るためには、以下の対策が有効です:
日本の通信教育(Z会、進研ゼミなど)を並行して行う
日本語の読み書き能力を維持するための家庭学習
帰国子女枠のある学校への編入を検討する
帰国後の補習塾や適応支援サービスの利用
3.現地の日本人補習校の活用
マレーシアには日本人補習校があり、週末に日本の教育カリキュラムを学ぶことができます
クアラルンプール日本人会補習授業校
ペナン日本人補習校
ジョホールバル日本人補習校
これらの補習校を利用することで、インターナショナルスクールに通いながらも、日本の教育内容を補完することが可能です。
実際の体験談
多くの駐在員家族がこのような二重の教育システムを経験しています。一般的な感想としては
子どもの英語力や異文化適応能力は飛躍的に向上する
日本の学校文化や学習内容との乖離には継続的なケアが必要
帰国後のリエントリーショック(逆カルチャーショック)への準備が重要
柔軟性と適応力が高い子どもほど良い経験になる傾向がある
まとめ
日本の公立学校に籍を置きながらマレーシアのインターナショナルスクールに通うことは可能ですが、事前の準備と継続的なフォローアップが重要です。
子どもの年齢や性格、滞在予定期間などを考慮して、最適な教育環境を選択することをお勧めします。
また、日本の学校との連絡を定期的に取り、子どもの学習状況を共有することで、帰国後のスムーズな再統合が可能になります。
何より、子どもにとっての国際教育経験の価値を最大化できるよう、家庭でのサポートが不可欠です。
⇩マレーシア留学の相談はこちらから⇩

コメント